はい!こんにちは! 愛真さなえです!
『テディ・ウィルソンになりたい』の8回目。
まだまだ全然テディウィルソンに近づけないので、まだまだ続くこのコーナー。
どうにかして1年でも早くテディウィルソンに近づけないか…と試行錯誤が続く日々。
今回は新しいことにチャレンジ。
というのも、持っている楽譜の中に、テディウィルソンの採譜をした楽譜があることを発見。3曲も。
発見、というよりも、買ったことを忘れていたのですが。
耳コピをした方が勉強になることは分かっていますが、耳コピ自体はできるので、せっかく本に載っているので、それを使って分析してみます。
↑この本。
クラシックの楽譜とは違って、ジャズの演奏を採譜した楽譜というのは、ネット上にある楽譜も出版されている楽譜も、間違いが書かれていることがよくあるので、その点に関しては注意が必要です。
曲の途中を省いて短くしてあったり、弾きやすいように簡単に変えてあったりということもよくありますが、音の間違いや、あとけっこう多いのが譜割りの間違い。
この本の『Tea for two』は、イントロの部分が途中から2拍ずれています。
テンポルバートさせて弾いているのを無理やり同じ4拍子に入れているため、テンポを落とした所から2拍ずれていて、イントロの最後の部分を音価を倍にして、どうにか4拍子に合わせてあるという…
どう聴いても、拍とメロディーがずれてるのに、なんで気づかなかったのか不思議じゃ。
ということがあるので、有名な出版社の楽譜であっても、すべてが正しいわけではありません。
この本は音の間違いはほとんどなさそうだったのと、YouTubeに音源があったので、使ってみることにしました。
【Tea for two】キー:A♭
音源はこれ↓
『Tea for two』YouTubeに何曲もありますが、楽譜と同じのがこの音源。
ピアノのソロです。
耳コピ完了したのと同じ状態なので、非常にありがたいー
『Tea for two』の構成は【A – B – A – C】
イントロ:バース
かなり長いイントロ。「広島ホットキャッツ」のリーダー、まきちゃんが教えてくれたんだけど、この部分はTea for twoの「バース」だそう。
この音源に似たイントロのバージョンもあったので、それはバースだったってことねー
まきちゃんはバースにとっても詳しいのです。
テディウィルソンのイントロは、曲のメロディーと(Cメロ)とは関係の無いメロディーが使われていることが多いように思います。
『Tea for two』は、何曲も音源があるんだけど、イントロのパターンがそれぞれ違う。
イントロ部分の分析は、省きます。
1コーラス目のバッキング:Cメロ
最近、私が気になって仕方がないのが、テディウィルソンのバッキング。
まずは1コーラス目のバッキングを見てみることにします。
音源を聴けば「ストライドだ」ということは分かるのですが、パターンが多い。
まとめてみます。
4分音符
「4分音符のストライド」…低いルート音を単音で弾いて、次にコードの3和音を弾くのを繰り返すような単純なストライドではありません。
4分音符だけでも何パターンも。
● 通常のストライドのパターン
通常とはいえ、手の大きいテディウィルソンですから、1拍目と3拍めが10度なので、私には指が届きません。
10度の部分は下の音に合わせてオクターブで弾くことにします。
例えば1拍目の「ド」と「ミ」は、3度として弾くとめっちゃかっこ悪く聴こえるので、「ド」を単音かオクターブで弾いた方がましな気がします。
● 1拍めに3和音がくるパターン
4小節ずつ区切った場合の1小節目に多いようです。
音が多いと、単純にその部分が目立つので、「ここからじゃー」と、区切りがよく分かるからか…かと思いきや、テディウィルソンはそういう弾き方をせず、ストライドでもあくまでやさしいタッチで弾いているため、区切りっぽくは聴こえません。
そいういう意味じゃないのかもです。
● 4分音符が4つ連続するパターン
けっこうよくあるパターン。間に半音階が入ることが多いです。
このパターンはスタッカートではなくレガートで音をつないで弾いていることが多い気がしますが、ここではスタッカート。
厳密に言うと、3拍めと4拍目でペダルを踏んでいます。
この例では、ルート音と1番上の音は、1度ずつ上がっていく音階ですが、真ん中の音は3拍めと4拍目が同じ音。
こういうのもよくある。
● 単音の4分音符が4つ連続するパターン
ウォーキングベース。
基本的にテディウィルソンの弾き方はノンレガートだと思うのですが、ウォーキングベース的な部分はレガートが多いいような。
8分音符
4分音符のストライドの間に、8分音符が2つ入ってきます。
これまで意識したことが無かったのですが、8分音符の入る場所によって、全然意味が違うのねー
● 1拍めに8分音符のパターン
4分音符のストライドが続く中で、1拍めに8分音符が来ると、他の拍に8分音符がある場合と比べて、聴いていて違和感があります。つまり、ちょっと目立つわけです。
この音源の1コーラス目で1拍めに8分音符が来ているのは2か所。
曲が盛り上がる部分と、【A – B – A – C】の曲の構成の【C】の始まりの部分。
楽譜を見て「なるほどー」なんて思いましたが、実際に音源を聴いてみると、テディウィルソンは「ここじゃー!目立たせちゃるー」なんて風には弾いていません。
● 2拍めに8分音符のパターン
2拍目に8分音符が来る場合、メロディー的な要素が大きいようです。
右手のメロディーに対応する使い方みたい。
● 3拍めに8分音符のパターン
3拍めに8分音符の場合は、メロディー的な要素ではなく、ストライドのルート音と、次に来る重音をつなぐ役割のように聴こえます。
で、このパターン、1コーラス目では、2回ある【A】の部分のどちらも3、4小節目(2回目の3小節めは少し違ったリズム)。
1回目の【A】は、1~2小節目が4分音符のパターン
2回目の【A】は、1~2小節目が2分音符のパターン
それに続けて、どちらも8分音符が3拍めに来るパターン。
同じメロディーの所で、同じパターンのバッキングになっているので「ここはこう弾こうー」と決めて弾いてるんだよねー?
● 4拍めに8分音符のパターン
これはもう、間違いなく「合いの手」のパターン。
右手のメロディーが伸ばす音の時に使っています。
ウィルソン先生、目立つように弾いています。
2分音符または4分休符
4拍ずつリズムを刻みながら進んで行く中で、たまに出てきます。
バッキングの音を伸ばす(または休符で弾かない)ということは、単純に、右手のメロディーを聴かせるための場合が多いです。
● 1拍めに2分音符のパターン
1拍めに2分音符が来るケースは、4分音符のストライドの延長のような感じで、それほど違和感は感じません。
この音源の1コーラス目の場合、1拍めに2分音符が来ているのは、全部B♭m7のコードの所。全部なのよー
この曲のキーはA♭なのですが、曲の始まりがⅤ度、つまりB♭m7から始まっています。
B♭m7はこの曲にとって、特徴的なコードだからかなぁー 分からんなぁー
● 3拍めに2分音符のパターン
これは、4小節ずつに区切った場合に4小節めに使って落ち着くパターンかと思いきや、そうではないようです。
4小節目にこのリズムのパターンを使っている所は1コーラス目にはありません。
次の小節にも2分音符が続いて、右手のメロディーを聴かせるためらしい。
● 1、3拍めに2分音符のパターン
これは目立ちます。全音符ではないにしても、ずっとリズムを刻んでいるバッキングが止まるので。
こういう使い方をしている部分では、当然右手のメロディーが気になります。無意識に。
● 4分休符
これはさすがに、多用できないパターン。めちゃめちゃ目立ちます。
使われているのは【B】の最後の小節のみ。【A】に戻る前です。
「ここで一区切りじゃ」感が満載。
まとめ
いやぁー、どうしよう…
1コーラス目のストライドだけで、こんなにパターンがありました…
パターンごとにまとめてみると、当たり前ですが、2分音符や8分音符のパターンを適当に弾いているのではなくて、ちゃんとそれぞれ、ココでコレを弾く意味があるようです。
テディウィルソン、一々ここでこのパターンをなんて考えずに、意識せずに弾いて、こうなっているんだと思いますが、これは、うーーーん、私、少しでもその域に近づけるんだろうか…
いや、私、近づくので、せっかく音源を同じ楽譜が手元にあるので、今回分析したことを踏まえながら弾いて、頭で考えるのではなく、感覚的につかめるようにしようと思います。
がんばれーー はいーー