はいこんにちはー ニューオリンズジャズバンド「広島ホットキャッツ」でピアノを弾いている愛真さなえですー
『After you’ve gone』テディウィルソンの演奏の比較。
ベースのあり無しの2パターンでの比較です。
前回のテディ・ウィルソンになりたい-5では、曲の構成について比較してみました。
今回は、テディウィルソンの演奏のバッキングについての比較分析。
音源あげておきます。
今回は<1>のベース無しバージョンのみの分析です。
<1>ベース無し:Benny Goodman Trio
Benny Goodman (CL) Teddy Wilson (P) Gene Krupa (Dr)
<2>ベースあり:Teddy Wilson【RUNNIN’ WILD】より
DAVE SHEPHERD (CL) KENNY BALDOCK (B) JOHNNY RICHARDSON (Dr)
ピアノによるバッキングについて
「テディ・ウィルソンといえば、ストライド」のように書かれているのをよく目にします。
「ストライド」というのは、いわゆる「ぶんちゃ、ぶんちゃ」の左手の伴奏の弾き方。
でもなんだか、私にはそのイメージがさほどなくて。
実際はどうなのか。どう弾いているのか、ちゃんと聴いてみなければ。
元はといえば、私がジャズのピアノを弾いた時、ベースがあると無しでは、バッキングの仕方にとても迷いが出て困っているというのが、バッキングについて分析しようと思ったきっかけ。
先程挙げた2つの音源、同じ『After you’ve gone』を2つ聴いてみると、違いがはっきりと分かります。
<1>ベース無し:Benny Goodman Trioバージョンのバッキング
アナログに戻ります。はい、これ。
んー、どうやって載せたらいいのか、よく分からん。
まぁそのうち、かっこいい画像をUPできるようになると思います・・・
【A】8小節、【A’】12小節という構成に分けています。
「1」は1コーラス目、「2」は2コーラス目で、4コーラス目まで。
基本、ストライド。
「ス」は8分音符の通常のストライド。「ス」を丸してあるのは、ちょっとリズムの違うストライド。リズムは画像の上部に書いてあります。
「ス」以外の音譜の部分は、ウォーキングベースです。
パッと見た感じ、4小節目にウォーキングベースが多い。その次に2小節目。
ふーーーん、そうなんだー マネしよう。
ウォーキングベースは、10度。私には絶対に指が届かない10度。
上がったり下りたりして元の音に戻って来る「サークルバック」と、目的の音へつなぐために半音階を使う「クロマチックモーション」を多用。
ストライドは、右手でメロディーを弾いていない時は、両手で弾いている所もけっこうあると思う。
手が映っている動画を捜してみますー
基本は表の拍も裏の拍も8分音符だけど、時々表の拍の方を裏の拍とかぶるくらい長めに伸ばして弾いていて、ベースラインが強調されています。
その場合は、裏の拍の音は小さめにしてる。
3コーラス目のAの最後、8分音符をタイでつないである所ですが、ここ、3拍子っぽく聴こえるんですが、これはマネしちゃだめなぶん。
いきなりこんなことやると、他のメンバーがびっくりしてリズムが取れなくなって、ロストしてしまうぶんじゃ・・・
ベース無しバージョンのまとめ
やはりベース無しの場合は、主にストライドでバッキング。
ウォーキングベースもベースの代わりの役目。
この曲はテンポが速いけど、ストライドは激しい弾き方ではないので、全然うるさく感じない。
高速で片手をあっちこっちに移動させる弾き方というのは、勢いがついてしまうので、音が大きくなりがち。
こんな風にマイルドな感じで高速ストライドを弾くのは、片手ではとっても難しいんです。
というわけで、ベース無しバージョンのテディウィルソンのバッキングについて分析してみましたが、まだ、これたった1曲なので、とてもじゃないけど「これがテディ・ウィルソンじゃー!」なんて言えません。
『After you’ve gone』の別の音源や、別の曲では、また違った発見があるんだろうなぁー
がんばろ。
次回は<2>のベースありバージョンの分析です。
おもしろかったー!